エクセル講座1:文字原稿の編集・整理にエクセルを使うことのススメ! そのメリットとは?

 

エクセルを原稿の整理に使うと、すごく便利! オススメの理由を説明していくよ

 
 

エクセルって、計算とかに使うものですよね?

 

なぜ文字原稿を扱うのにエクセルなのか?

エクセルを何に使っていますか?
・経費の計算
・日程表の作成
・作業リストの整理
そんな作業に使っている人が多いと思います。
でも、エクセルは使い方によっては、もっと他の仕事もできるのです。

例1)PDFから取り出したテキストの不要な改行を削除する

原稿として受け取ったのがPDFというケースは珍しくありません。そこからテキストを取り出すことができるだけありがたいところですが、全行に改行が入ってしまうのが困ったものです。
ワードに貼り付けて、一つずつ改行を削除していく作業は、ミスもこわいです。
エクセルをうまく使うと、PDFからコピペしたテキストの不要な改行を一気に削除できます。

例2)原稿のどこが変更になったかを探りあてる

もらった原稿のデザイン処理などを進めていたのに、後になって、

「やっぱり少し変更したから直しておいて。まあ10箇所くらいだけど」

みたいに言われたことはないですか?

「どこ直したんですか?」
「わかんないなあ、まあ、新しいほうで進めておいて」

急ぎの案件でこんなことがあると、泣きたくなるものです。
こんなときに、前の原稿とどこが違っているのかを探り当てられれば、そこだけ直せばいい。
これも解決できます。エクセルで見つけられます。

例3)原稿の不要なスペースを削除する。数字を半角にする

原稿を書く人のパソコンの環境のせいなのか、不要なスペースがたくさん入ってくる。
数字は半角にと言っても必ず全角が混じる。
こういったこともよくあります。

今は、住所や電話番号などをネットからコピペして原稿を作るケースも多いので、いろいろまとめたのはいいけれど、表記のルールがバラバラというのは珍しくありません。
こういう原稿もエクセルを使うと、きれいに整理できます。

エクセルを計算だけに使うのではもったいない

ここでご紹介していくエクセルの使い方は、次のような方には役にたつはずです。

・頼んで書いてもらった文章を整理して、他の人に渡す必要がある。
・文字修正の打ち直しにミスがあっても、他に確認してくれる人がいない。
・誰かに確認してもらっている時間がない。
・案件自体の予算が少なくて、なんでもかんでも自分でやらないといけない。

エクセルを味方にすれば、2000件、3000件の処理が一度にできます。

・浮いた時間を、プランを考える時間にあてる。
・浮いた予算を、コンテンツの充実のために使う。

フリーでの仕事は、一人での作業も多いそんなことが可能になります。

 

エクセルというと、計算やデータベースで使われることが多かったから、ネットでもそういうノウハウ記事が多いんだ

 
 

でも、編集の作業にも便利ってことなんですね!

 
 

計算や日程表だけではなく、原稿の整理にも、ぜひエクセルを使ってみよう!

 

エクセルのよいところ

エクセルがよい点をいくつかまとめておきましょう。

1)使っている人が多い

いろんな人が使っているので、「このエクセルに原稿をまとめてください」と頼めば、フォーマットに沿った原稿を集めやすいというメリットがあります。
また、細かなワザがいろいろと公開されているので、行き詰まっても少しググれば解決策が見つかります。

2)順番の入れ替えが簡単

お店を紹介する原稿を用意する時に、もともとは、
「お店」「住所」「URL」
の順序でまとめていた。
でも、レイアウトが変わって、
「住所」「URL」「お店」
にすることになった。そんなことがよくあります。
エクセルで整理すると、こういう作業が簡単に出来ます。そこからテキストを取り出すのも簡単です。

3)原稿の文字の置き換えが簡単

いくつかの関数を使うことで、文字の置き換えが簡単にできます。

検索置換はワードでやっている方も多いと思いますが、エクセルの関数を使って行うと、やり直しが簡単にできます。

エクセルのデメリット

きれいに並んだデータを見ると、よいものが出来たような気持ちになることは、エクセルのデメリットかもしれません。

データが整理されていることと、コンテンツの良し悪しは別のこと。
データをきれいに整理することが、どうしても目的のようになりがちなので、そこは注意しましょう。
コンテンツを充実させるための試行錯誤は、エクセルを離れたところでやるのが理想。
個人的には、手書きでの作業を意識的に増やすことをオススメしたいです。

hosokawakobo
細川生朗 Hosokawa Seiro
1967年生まれ。1991年に情報センター出版局に入社。『水原勇気0勝3敗11S』『いちど尾行をしてみたかった』『笑う出産』などのヒット作を編集。1994年に『きょうからの無職生活マニュアル』、1998年に『旅の指さし会話帳①タイ』を企画・編集。いずれも累計100万部以上のシリーズとなる。2001年に情報センター出版局を退職。その後、フリーの編集者として、実用書を中心にした単行本の企画・編集、自費出版の写真集や記録集の編集、社史の編纂などを手がけつつ、指さし会話帳シリーズの編集も続けている。