『日本の食材帖 乾物レシピ』外部編集プロダクションと編集者の力が光る本

料理のために購入

わらび、ぜんまい、貝柱、大豆、いんげん豆、、、こういう食材を時々料理することがあります。
いただき物だったり、旅行先で買ったお土産だったりします。

でも、どう料理すればよいのか、なかなかわからない。
もちろんネットで調べればいろんな情報はありますが、どれを信用してよいのか見比べるのも大変です。
そういうことが何度かあって、1冊持っておくと便利だなと思って買ったのがこの本です。

『日本の食材帖 乾物レシピ』三浦理代監修、2012年、主婦と生活社

乾物調理の百科事典

昆布、干ししいたけ、ひじき、鰹節といった代表的な乾物はもちろんのこと、ぜんまい、にしん、ふかひれ、ささげ、干し鱈といったものまで収録されています。
乾物が手に入ったときに、とりあえずこの本を見ればなんとかなる、これはありがたいです。

それぞれのもどし方に加えて、調理の例もいくつか載っているので、それも参考になります。
買ってはきたものの、どう食べればよいかわからないという事態が避けられます。

その食材を使っている定番料理には「定番」の印付き、これも便利です。

これだけ揃えるのが大変

紹介している項目が50くらいあり、その項目の中にもたくさんの品目が紹介されています。

たとえば「干物」の中に「開き干し」「丸干し」「生干し(一夜干し)」「本干し」「煮干し」「みりん干し」「素干し」「でびらがれい」「ししゃも」「あじの開き」「あご焼き干し」「金目鯛」などの品目が紹介されています。

これだけ調達して、撮影するだけで大変な手間と経費がかかります。
ある程度の予算をかけて取り組まないと、このタイプの本は作ることができません。

正直言って、乾物の本を買う人はそんなに多くはないはずなので、予算を確保するのは大変だったはず。
どうやって作ったのだろう?? と思いました。

その謎を解くヒントは本の後ろソデ(カバーの折り返してある部分)にありました。

『日本の食材帖 野菜・魚・肉』『日本の食材帖 実践レシピ』好評発売中!
と書かれています。

これらの本が売れて、この乾物編も出すことになった、それで相応の予算が確保できた、ということなのだろうと思います。

本作りを支えている編集プロダクション

この本の奥付には、「アートディレクション・写真/石倉ヒロユキ」「編集・制作/regia」とあります。

石倉ヒロユキさんという方は、絵本やエッセイを書く方。
また、編集プロダクションregiaを調べてみると、石倉ヒロユキさんが代表です。
つまり、編集プロダクションregiaがこの本の制作を請け負い、代表の石倉さんがデザインを統括したり、写真を自分で撮影したりされたのだと思います。

ちなみに、wikiで調べてみると、この本もシリーズの前2作も石倉さんの企画制作となっていたので、シリーズの企画をもともと石倉さんが提案していたのかもしれません。
いずれにしても、このシリーズと深く関わったのだろうと思います。

本全体に、非常にきれいにまとめられている印象があります。
その点は非常に印象的でしたが、今回この奥付を見直し、regiaと石倉ヒロユキさんのことを調べてみて納得しました。。

石倉さんが、料理を作る現場に行って、その場で皿に盛り付けて、テーブル周りも整えて撮影し、写真を編集作業に回す。

同時に次の料理を撮影する日取りなども調整し、監修の三浦先生とも食品の解説や取り上げる品目について相談している。

スタッフにはページのデザインについて、適宜指示を出す。

、、、そんな形で編集されたのではないかと思います。

こういった企画を、出版社の担当者が全てコントロールするのは難しいので、外部の編集者・編集プロダクションに委ねるケースは珍しくありません。この本もそういう作られ方をしたようです。

hosokawakobo
細川生朗 Hosokawa Seiro
1967年生まれ。1991年に情報センター出版局に入社。『水原勇気0勝3敗11S』『いちど尾行をしてみたかった』『笑う出産』などのヒット作を編集。1994年に『きょうからの無職生活マニュアル』、1998年に『旅の指さし会話帳①タイ』を企画・編集。いずれも累計100万部以上のシリーズとなる。2001年に情報センター出版局を退職。その後、フリーの編集者として、実用書を中心にした単行本の企画・編集、自費出版の写真集や記録集の編集、社史の編纂などを手がけつつ、指さし会話帳シリーズの編集も続けている。