『くれいじい・パズル』手書きでしか出せない味わい深さ

新聞広告で出会った本

この本の存在を最初に知ったのは、新聞の広告だった記憶があります。

「面白そうな本!ぜひ買いたい!」

そう思って、書店で購入しました。

迷路やパズル、ボードゲームの本です。たぶん中学1年生の頃です。

迷路やパズルといっても、デザインが非常に凝っていたり、添えられている文章に工夫があったり、すごく不思議な本でした。

GOLFゲームで遊んだ時代

この本のGOLFというページは、思い出深いです。
方眼紙に書き写して中学校に持っていって、鉛筆を使ったサイコロで遊んでいました。

今にして思えば、よくこんなゲームで遊んでいたなあ、という気もしますが、学校で没収されることもなく遊べるゲームだったのですね。
結構な期間遊んでいた記憶があります。

手書きの魅力

1970年代の本なので、今とはいろんなことが違いすぎるのですが、この本の大きな魅力の一つは、迷路などなどの図版が全て手書きで作られていることです。

これを描いた浅井努さんがすごい、ということもあるのですが、丁寧に手書きで書く(描く)ことで、ページに魂が宿るようなことがあるのです。

今であれば、adobeのIllustratorで作ることになるかもしれません。
ただし、Illustratorで作った図版が、この頃の図版と同じように、読者を楽しませるものになっていなければ、ただの省力化です。

手書きの図版に、なぜかただよう楽しさ。
こういう感じを、今の印刷物の中でも表現したいと考えて編集作業をしています。

hosokawakobo
細川生朗 Hosokawa Seiro
1967年生まれ。1991年に情報センター出版局に入社。『水原勇気0勝3敗11S』『いちど尾行をしてみたかった』『笑う出産』などのヒット作を編集。1994年に『きょうからの無職生活マニュアル』、1998年に『旅の指さし会話帳①タイ』を企画・編集。いずれも累計100万部以上のシリーズとなる。2001年に情報センター出版局を退職。その後、フリーの編集者として、実用書を中心にした単行本の企画・編集、自費出版の写真集や記録集の編集、社史の編纂などを手がけつつ、指さし会話帳シリーズの編集も続けている。